Wモアモア師匠の結成は1970年、私が生まれた年での話です。
そして何と!コンビ歴50年目となる2020年に解散という形で歴史に終止符を打つこととなりました。
周りに居て、小さな言い争いみたいなのは日常茶飯事、さほど驚くことも有りませんでした。
そしてそんな言い争いもことが大きくなることもしばしば、その最後が2020年だったということです。
けん師匠の相方である、東城しん師匠は実にさっぱりした性格で、思ったことは何でも言っちゃうようなところもあって、私はけん師匠と同じくらい大好きな師匠でした。
その昔、漫才協会が浅草公会堂で年に1回大きな興行を行っていた頃…出演者に大きなノルマを課せられておりました。
私自身、そのノルマを捌き切れず困り果てていると…「何枚残ってんの?」てな感じで持て余していた残りのチケットを引き取って貰ったりしたこともありました。
本当に男っぽいというか、裏表のない、パキッとしてカッコイー師匠でした…そんなしん師匠は2022年2月、お亡くなりになられました。
葬儀は無事執り行われたそうですが、私は残念なことにスケジュールが合わず…花だけ出させて頂く形となりました。
やはりお世話になった者として、最期のお見送りはしたかった。。。
翌日の昼間、私の携帯に1本の電話がありました。
その電話の主は…相方だったけん師匠でした。
「おはようございます」
「おはよう、昨日、ありがとうね」
…私は一瞬、何の礼を言われているのか解りませんでした。
「相棒の葬儀に花出してくれてさ」
その一言でようやく繋がりました。
しん師匠の葬儀について、わざわざけん師匠からお電話を頂くなんて、想像出来ませんでしたから。
「けん師匠がそんな、礼を言われるようなことはしてませんから!」
「いやぁ、やっぱりさ、有難いことだからさ…」
…私はむしろ仕事を選ばざるを得なかったことに対して申し訳ない気持ちしかなかったので…しかも解散しても尚、けじめを貫こうとされるけん師匠のお気持ちに、色々複雑な気持ちが湧き出て来たのです。
これがお笑いコンビというものなのか…私はその答がまだ解らないで居ます。。。
1つ明確になったこと、それはお一人が亡くなってしまった今、Wモアモアというコンビは復活することは出来ないという事実。
替えが効かない職業と言われればそれまでですが…切ない話です。。。