これは人間椅子の皆さんにインタビューをさせて頂いた時にも伺った話で、紹介しても良いものだと思うのですが…今日に至るまで、音楽で安定して身を立てられるようになるまでに長い年月が掛かったそうです。
これはヴォーカル・ギターの和嶋慎治さんの著書『屈折くん』にも書かれている話ですが…何より特筆すべきは結成した1987年から2024年の現在に至るまで…ご自身がやりたいこと、やるべきことに寸分の狂いもないこと。
時流が変わると共に、自分がやりたいことが合わなくなることがある訳です。
するとそれに伴って…自分の置かれた環境にも浮き沈みが出て来る、これが芸事の苦しい部分。
アーティストとしての活動を継続する中で、豊かな生活に対する渇望感は出て来て普通だと思いますし、豊かな生活を手にするために自らのアプローチを軌道修正する…これってやっぱり自然なことだと思うのです。
だって普通だったらやっぱり揺らぐでしょ?
しかしながら…人間椅子さんは揺らがなかったのです。
加えて出身である青森県弘前市での学生時代からの付き合いである、ベース・ヴォーカルの鈴木研一さんも同じくなのである。
現在ドラムを担当されてる中島ノブさん含め、とにかく仲が良いのです。
それは無理した感じでは決してなく、実に大人な、実に落ち着いた感じ。
この芯の太い信念、その信念のブレなさ具合は…応援しているファン(“檀家”と呼びます)からすると、実に心強く、ますます応援したくなる。
これが…人間椅子さんの大きな魅力になっているんじゃないかと思うのです。
そして人間椅子がここまで続いているのはズバリ、和嶋さんと鈴木さんの間にある信頼、友情、信念…そんな永遠のパートナーの出会いこそが、今の人間椅子さんを支えているんだと思います。
2024年2月10日