おぼん・こぼん師匠、昭和のいる・こいる師匠と来たら…やはり紹介しなければならない、“青空球児・好児”師匠の話もご紹介したいと思います。
目上の、しかも随分なベテラン・大御所ともなると、近づき難いというか、近付いたら失礼みたいなイメージを持ちがちですが、それはあくまでこちらの勝手なイメージでしかなくて。
球児・好児師匠も同じくで…パッと見はやはり雰囲気のある方々だし、少し頑張らないといけないような感じに受け取られがちなところがあると思うんですが、いやいや、お二方ともとても話し易くて、私は心から大好きで親しみを感じさせてくれる師匠方です。
まずは球児師匠。
私がよく酒席お供させて頂く…こぼん師匠、こいる師匠と仲良しなのが球児師匠。
近くの水口食堂とか、徳仙といったお店で、浅草東洋館での公演が終わった後…お三方共に出番が一緒だった日には、そのまま上記のようなお店へとなだれ込んだものでした。
この世代の方は、お相撲がお好きな方が多く…球児師匠も同じくで。
よく御贔屓のお相撲さんの取り組みが始まると、ピタリと会話もビールが注がれたグラスも止まったもんでした。
ステージ上の球児師匠は…豪放なイメージを感じさせる方なんですが、いざステージを降りるととてもシャイで、何処か人見知りで、意外にも(すいません)繊細な方なんです。
それには幾つか理由があるんじゃないかと思ってて、まずは当然そもそものお人柄の部分が大きいと思うんですが、それ以外にも“予防線”として身についてしまった部分もあるんじゃないかと思っているんです。
先に紹介した通り、とにかくキャラが立っている方なので…お客さんなんかは案外ライトに話し掛けてしまうことも多いんじゃないかと思うんですね。
でも、そのライトの中には…幾らか“芸人と絡む”ことを拡大解釈してしまっているような方も居ることも事実で、その辺の距離感を見誤られることもここまで多かったんじゃないかと、だから自己防衛の部分でそのようなスタンスをお取りになっている、これはあくまで私の推論の域を出ない話ではありますが。
私レベルでもごくたまにそんなスタンスで来るお客さんが居たりするんです、それは正直〔ちょっと面倒だな〕と感じてしまうことも。
球児師匠のような“唯一無二”であることは、芸能においてとても大切な“個性”となる反面、付随する苦労もあるんじゃないかと、そう思うのです。
2023年10月21日