“否定”で言いますと…漫才協会に入った直後の私は、師匠方のことを“否定的”に見ていたように思います。
勿論、全ての師匠方に対してではありませんでしたが、それがまた今振り返ると…我ながらダサい。
結局それは芸人の評価基準である“売れてる”か“売れてない”かという、表面に流されていた部分もあったと思います。
今は勿論、そんなことはありません。
表面的な部分で観る前から評価をしてしまっている、それはとても残念なこと。
観る姿勢を変えると…そこには実に多くの学びがあることに気づかされます。
そして先人の優れているところを吸収する習慣を身につけたい。
かつてメジャーリーグで数々の記録を打ち立てたイチローさんがこんな事をおっしゃったそうです。
“メジャーリーガーの凄いところは、一度〔あっ、凄い選手だ〕と認めたら、2500本もヒットを打っている選手でも聞きに行きます。それが偉大な点ですね”。
この言葉には様々な教えがあると思っています。
何よりまずは“謙虚な心”。
自分はまだまだ向上する余地があると思っていることが、より一層高みを目指す気持ちに繋がるのです。
謙虚な気持ちで自分自身と向き合うことで、自分の至らないところが透けて見えて来るんじゃないかと思います。
そして“貪欲さ”。
全方位的に目を配ること、それには貪欲さが必要だと思います。
自分にとってプラスになるものがあれば、どんな相手であれとにかく吸収しようという気持ち。
その精神性こそ一流たる所以だと思います。
最後に“見抜く力”。
いくら視野が広くても、本質を見抜く力が無ければ魅力をキャッチアップすることは出来ません。
敬意を持ってしっかり向き合うことで、その本質が見えて来るんじゃないかと思っています。
若い頃の私には、この全てが足らなかったように思います。
そしてそれは言い換えれば、絶対的に向き合う際、その“敬意”が足らなかった。
“若さ故”では片付けられない、私自身の未熟さだと思います。
2023年09月28日