「仕事何してんの?」
「芸人やってるんです」
…この“芸人”という単語自体がただ単に職業を指し示す以上の意味がある、これがまた厄介。
「へぇ~!芸人やってるんだぁ」
“芸人”という自己申告と共に、聞かされた相手は未だかつて出会ったことのない類の人種に興味津々。
そこにかこつけてまんざらでもない感じを醸し出す…“自称”芸人。
しかしながら…その実態として、あくまで自己申告であって、多くを語れる程のものではない場合が多い。
私は思うのです、、、職業として言うなら、やはり生業として胸を張れるだけの稼ぎがあるとか、言えば判るだけの実績があるとか、そういったものがない以上、名乗れるレベルではないと思うのです。
だって紐解いたら「それ、フリーターじゃん」って人の方が多いんだから。
この“芸人”という言葉のマジックもまた、退路を遠ざける一因になっているんじゃないかと思うのです。
そして…もう一つの辞めれない理由。
身近にいる人で思ったことがあるのですが…自分自身の実力を見定める機会を得ることなく、芸人生活を続けている場合。
とんでもない才能の持ち主が一線で沢山活躍している世界。
その有能な人とあいまみえる機会の中で、最も痛感させられること、それは…自分の力のなさ加減。
今まで如何に一流を知らなさ過ぎたかを知り、己の実力のなさに絶望的な気持ちになることがあります。
そのような機会がないと…結局己を知るタイミングがなく、己を知らず、己を過大評価してしまうのです。
これは実に罪深き状況で…その辺りを知らしめんとしても、もはや手遅れと言う場合もあるのです。
己を過大評価してしまっているので、努力もしないのです。。。
芸事は続けるのも大変ですが、辞めるのもまた大変だと思っています。
2024年3月9日