本題に戻りましょう。
私よりは確実に後輩だったであろうコンビの話(恐らく今は芸人をやっていないと思われます)です。
いつものようにミニホール新宿Fu-にて開催されるお笑いライブに頻繁に出演していた時です。
ある時、出番前、袖で待っていますと…遠くからおよそお笑いライブでは聞くことのない音が聞こえてきました。
ガシャン、ガシャン、ガシャン、ガシャン。。。
袖に居る芸人たちが一様に「何の音?」という感じで、振り向いた先には…戦国時代の甲冑に身を包んだ芸人、そしてその相方は…普通の衣装。
そのコンビとそれ程面識のない芸人たちでさえ、さすがに見過ごせないと次々話し掛けました。
「何すか?その衣装?」
「戦国武将キャラで『エンタ』狙おう思いまして」
驚きを隠せない共演する芸人一同。
「その衣装売ってんすか?」
「そうなんすよ、これ一式で20万以上するんですよ」
改めて驚きを隠せない共演する芸人一同。
「まぁ、『エンタ』出て営業行けたら、直ぐに取り返せる筈なんで」
その甲冑さんは言葉を続けます。
「ただね、ちょっと問題がありまして」
興味津々で話を聴く芸人一同。
「メチャメチャ重いんですよ」
どっと受ける芸人一同。
「ちょっと歩くだけでもメチャメチャしんどくて」
さすがに笑っちゃいけない、というような空気が流れ始める。
そして聴いていた芸人からこんな質問が飛びました。
「どんなネタやるんですか?」
その答は…
「コントなんですけど」
…恐らくその場に居た全ての芸人が同じ疑問を感じたことでしょう。
「大丈夫なん??」
まだ漫才なら動きが少ないからネタもやれそうですが(…とはいえ、当時の『エンタ』は漫才NGでしたが)…少し歩くだけでしんどくなる衣装で…どんなネタすんの??
誰しもがツッコミたくなるキャラ変だった訳ですが、ただそんな甲冑さんの気持ちが痛い程理解できた芸人は多かったんじゃないでしょうか。。。
2024年2月5日