音響効果 住吉昇です。
「フィールドレコーディングのすすめ」と称して記事を書いています。今回から「機材編」をお送りします。
今回は『フィールドレコーディングのすすめ!その2-1(録音機編)』をお送りします。
最近マイク内蔵の気軽に録音が楽しめるハンディーレコーダーの普及によってCD音質が手軽に出来るようになりました。
お手軽にそしてお気軽に「気になる音」を録音できるのはとても良いことでだと思います。機材の小型化や記録メディアの進化が野外録音のお手軽お気軽に拍車をかけているのだと思います。
必要な機材
ここからはフィールドレコーディング(野外録音)に必要な機材を考えていきたいと思います。
フィールドレコーディングをやってみたいけど、どんな機材を揃えれば良いのかわからないという方のために、機材を紹介しようと思います。
・録音機
・マイクロホン
・ヘッドホン
・あると便利な小物 etc…
フィールドレコーディングでの最低限必要な機材を紹介しましょう。
録音機
1960年代の6mmデンスケから始まってカセット・デンスケ、カセット・WalkMan Proと続き、1990年代に入ってDAT WalkMan、MD WalkManと高性能化及び小型化していきます。そして2000年を経て2010年代までに録音メディアがテープレスになり、モーター部分を含む機械部分を持たない録音機(レコーダー)へと進化しより小型化が進みました。
SONY TCD-D3
SONY MZ-R90
音質の良さや録音時間の長さも目覚ましい速さで進化しています。それに伴い磁気メディアと呼ばれた6mmテープやカセットテープ、DATからCDやMDというレーザー光を使った録音メディアへと進化してきました。
更に進化は進み、録音メディアは内蔵HDD(ハードディスク)になり、その後CFカードやSDカードといったフラッシュメモリーカードのようにカード化されていきます。容量も増えていき16GBや32GB、さらに64GBへと扱える容量が増えています。
SONY PCM-D100
フィールドレコーダーに戻りますが、使用するレコーダーはリニアPCMレコーダーと呼ばれています。「リニアPCMとは」音声データの録音形式の一つで、録音した「音」を何の加工することなくそのままを記録する方式です。データ量は大きくなりますが臨場感あふれた「音」が録音されています。
リニアPCMレコーダーの録音は「サンプリング周波数」や「ビット深度」の設定に自由度があって、一般的な音楽CDの44.1KHz/16bitより高音質な録音が可能になっています。192KHz/24bitといった録音も可能になりました。
値段も安くなって手に入りやすくなってきました。2〜5万円台という価格で入手可能になってきました。いい時代になったものです。
またレコーダーに録音したデータは、コンピュータとUSBで接続することにより、レコーダーのデータをコンピュータ側に転送することが簡単に行うことができるのです。さらに録音の際に録音日時が自動的に記録される点もデジタルのならではですね。
フィールドレコーディングには、内蔵充電池だけではなく、移動先でも入手が容易な乾電池(単三乾電池)に対応している機種が便利だと思います。
充電池が切れることを想定して予備の充電池であったり、予備の乾電池を用意しておくことをお勧めします。
筆者が使っているレコーダーを紹介しましょう。
SONY PCM-D100
特徴は、192KHz/24bitで録音することが出来ることです。付属のマイクにも特徴があって、周波数特性が40KHz近くまで伸び、高音まで余すことなく豊かに録音できるということなのです。
もう一つ、二つのマイクが可動式なので、音源からに距離や使い方に合わせて、可動ポジションからの選択が可能だってことです。
音源が比較的近ければ、XYポジションで、広いイメージにはワイドポジションでと、その場で調節が可能なのです。奥行きのある自然音を録音することが多い筆者はワイドポジションで、広がりを主に録音しています。
特に自然音の録音中に突然の過度の入力に備えて、リミッターを設定しておくことが出来るんです。これが便利で、入力レベルがオーバーしてしまうと音が割れて使えなくなってしまう事があるのですが、リミッターを設定しておく事で使える音になるんです。これって大きですよね。
原音が小さい時の使い方として「S/N 100dBモード」というものがあって、リミッターに使われるADコンバーターを使ってノイズを小さく抑える機能です。覚えておくと便利な機能だと思います。
実際に使用する時の設定は96KHz/24bitでリミッターONにしたり、S/N 100dBモードに切り替えたりして録音しています。
その後Macにデータを移しDAWで再生するのですが、実際に再生音を聞くと原音に忠実な素直な『音』という印象があります。
TASCAM DR-701D
この機種の特徴は、4入力6トラック(4トラック+2ミックス)の同時録音が可能なんです。
これから主流になりそうなVRをはじめとしたアンビソニックマイクに対応した事です。更にステレオでモニターする事が可能になりました。
次に、充実したロック機能だと思います。HDMIでカメラと同期する事ができたり、HDMIで「DR-701D」複数台を一括操作する事が出来るのです。
筆者の場合はタイムコードにより映像とロックさせる必要があったのでとても助かっています。
最初に4入力と書きましたが、ステレオの内蔵マイクが搭載されているので、2本の外部マイクとステレオ内蔵マイクで2つのステレオがそれぞれ別ミックスで録音する事が可能です。その上4入力したマイクをステレオミックスにして録音出来るのです。入力はマイクだけでなくライン入力も4チャンネル分出来るので録音も色々と考えられます。
録音した音質もナチュラルで仕事として使いやすい「音」だと思います。
まとめ
魅力的な機材が多くなってきました。
何を基準にするかによって選ぶ物が変わってします。
目的をはっきりとした上で選ぶことをお勧めします。
最後までお付き合いくださいまして有難う御座います。
本日はここまでとさせて頂きます。
次回も乞うご期待!
一緒に「今日も元気」にそして「あしたの元気」に繋げましょう!
音響効果・住吉昇