音響効果 住吉昇です。
前回から「フィールドレコーディングのすすめ」と称して記事をかいています。今回は第二弾「レコーダーの変遷」をお送りします。
フィールドレコーディングのすすめ
最近、マイク内蔵のお手軽レコーダーの普及によって気軽にフィールドレコーディングが身近になり簡単に始められるようになりました。
フィールドレコーディングの歴史
その昔、レコーダーのことをデンスケって呼んでいました。可搬型のオープンリールテープレコーダーの事でSONYの商標だったと記憶しています。このデンスケはさすがにプロ用、重いんですよ。肩に食い込む重たいレコーダーでした。
PT−5型というもので、本体の重量がおよそ6Kgなのですが、電源に乾電池を使用するんです。単2の乾電池が6本で連続4時間稼働するという代物です。何が重いのかというと予備の乾電池とかさばるオープンリールのテープです。さらに風対策の風防を付けたマイクやマイクスタンドを持って出かけるのですが、現場に行くだけで汗だくになった記憶があります。このレコーダーはNHKの放送博物館に所蔵されていると聞きました。一度見に行かないとなぁーと思っています。
技術の進歩は凄いもので、その後カセットテープを使ったカセットデンスケの登場です。いままでは言ってみればプロ用の機材でしたが、カセットデンスケの登場でアマチュアにも手が出せる価格になり、カセットテープの普及も手伝って、野外録音のブームが到来します。ナマロク(生録)が手軽にできるということで、自然の音をナマロクしたり、蒸気機関車(SL)をナマロクしたりと、プロ・アマ問わす野外録音に出かけて行きました。
プロ用の機材と比べると重量も多少いや、だいぶ軽くはなってきたものの従来の6mmデンスケ同様予備バッテリー(乾電池)がかさばった事を記憶しています。古き良き思い出といってしまえるかもしれませんが重かったぁー! カセットテープは往復の録音が出来る事、サイズも6mmテープと比べるとグッと小さくなり軽量!メリットですね。
SONY カセット(WALKMAN PRO)
当時はこのカセットWALKMAN PROで録音した「波の音
や「川の流れなどを、6mmテープにコピーして実際に放送で使っていました。これで十分満足していたんです。
その後新しい記録メディアが出てきます。DATやMDです。1990年ごろからDAT WALKMANが、その数年後にMD WALKMANが発売になり主流になっていきます。
ご多分に漏れずDATWALKMANを入手しました。最初TCD—D3
を、その後TCD-D100です。放送局の収録がDATに移行したためです。
初期のDAT、TCD-D3は専用のバッテリーとACアダプターのより2電源となり使い勝手が良くなったと思いますが、野外録音中にバッテリーが無くなるとそこで終わりになってしまうので、専用バッテリーの予備が必要でした。後続のTCD-D100は単三電池2本で駆動していたと思います。
がすでにDATは生産終了しています。48KHz16bitでの録音だったと記憶しています。音質は良かったですね。
MDは元音を圧縮して記録しているので音質的にあまり好ましくないですね。
SONY DAT(TCD-D3)
SONY MD(MZ-R90)
その後放送局は、記録メディアをMOにしていきますが、民生機として発売されずにそのまま終了。そして記録メディアをフラッシュメモリーカードに移行します。放送局はCF(コンパクトフラッシュ)カードを使たったレコーダーを導入しています。
民生機も記録メディアをフラッシュメモリーカードに移行し、より手軽に手に入れる事ができるSD(Secure Digital)カードを使用しました。そして筐体の小型化が進んでいます。
TASCAM(DR-701D)
SONY(PCM-D100)
いかがですか。野外録音がより身近になってきたと思いませんか。今まではマイクを別途用意しなければなリませんでしたが、今では筐体に直接付いているんです。よりお手軽感がありますよね。もちろんより良い音を求めて、別のマイクを使う事も可能になっています。
いろいろな音響機器メーカーから多くの機種が発売されていますが、その中には2ch、4ch、6ch、8chと同時録音数がマルチに対応している機種もあるんですよ。そして電池の持ちが改良されて長くなり、乾電池、外部DCバッテリー、ACアダプターと3電源が対応しシーンによって選べるようになっています。コストパフォーマンスに優れた機種が多くなってきました。とても喜ばしい事ですね。
コンピュータへのデータの転送もUSB端子を介して行う事ができます。何処まで進化を続けるのか楽しみです。
進化
今ではポケットに入る機材が主流になっています。皆さんも普段からよく使っているものです。分かりますよね。携帯電話ですよ!
音はもちろん映像もポケットに入る機材で、手軽に簡単に撮れるようになりました。これからの進化はどのように進んでいくのでしょうか。
機材同様、携帯電話の進化にも期待しましょう!
まとめ
機材の大きさが段々と変わっていうこと。
録音のメディアが変わっていくこと。
すべてが進化です。
今後、どのように進化していくのでしょうか。
楽しみです!
最後までお付き合いくださいまして有難う御座います。
本日はここまでとさせて頂きます。
次回も乞うご期待!
一緒に「今日も元気」にそして「あしたの元気」に繋げましょう!
音響効果・住吉昇