れらpです。
北海道から仙台へ!転勤しました。さっそく牛タン食べましたよ。まだ土地勘がないのでとりあえず仙台駅ビルの中にある「牛タン通り」に出撃。
そこに軒を連ねる「たんや善治郎」。
www.tanya-zenjirou.jp
普段フランチャイズの焼肉チェーンくらいでしか牛タン食べないれらpは、その肉厚っぷりにビックリ。値段もそこそこしますが味には十分満足しました!
イケてる大人計画にもようやく復帰です。
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でも、転勤のどさくさで世の中の動きにちょっと目を離していた隙に、実にバカバカしい、ふざけた出来事がアレコレ起こっていたようで…。
今日のエントリーはさっそくそれに触れていきたいと思います。
■今回の件で文句言ってる人は要するに金で心を買おうとしていたゲスだろ!?
先日沖縄で開催された第9回AKB選抜総選挙。
直前になってビーチ会場での開催を取りやめて混乱したり、さっしーが三連覇を果たしたり、まゆゆが年内卒業を発表したり、発足間もないNGTメンバーが大躍進したり、いろいろと話題が多かったようですが。
なんといっても「NMBの須藤凜々花さんが結婚を発表した」というのが一番の衝撃だったようです。
現役アイドルの結婚宣言。
その一報を聞いた時、僕は「やるなあ!カッコいい」と思ったのですが。
続報が入ってくるたびに、どうも世間の雲行きが怪しくなってきていることが分かってきて、今ものすごく違和感を感じています。
曰く、須藤さんのツイッターが大炎上している。
曰く、他のAKBメンバーやOGが軒並み不快感を示している。
曰く、有名な文化人がツイッターやブログでこの件を公開批判している。
まあアイドルに興味のない世間の大多数の方々にとっては、このエピソード自体、どうでもいいことなんだと思いますが、アイドル界隈という"コップの中"にとっては、そりゃあもう蜂の巣をつついたような騒ぎになっているわけです。
一般の方もうっすらとご存知の方も多いと思いますが、AKBは「恋愛禁止」が暗黙のルール。
ファンたちもそれを信じて個々のメンバーに入れあげ、大枚をはたいてCDという名の投票券を買ったり、普段から現場にマメに通ってメンバーからの「認知」を貰うことを目標にしたり、ありていにいえば"疑似恋愛"に血道を上げているのです。
そんなアイドルの一人が、自分への人気のバロメーターを測る一大イベント「総選挙」に出馬し、20位という順位をゲットしたその直後に、結婚を宣言する。
つまりは、大金を使ってグループの中の地位を押し上げてくれたファンたちを裏切った、ケシカラン、と罵られているわけです。
いや、ちょっと待とうか。
須藤さんのツイッターには「金返せ」という罵倒が殺到しているそうです。
てことはなに?そういうこと言ってる奴は「金で須藤さんのハートを買おう」と思っていたわけ?
てか、お金出して彼女のステータスを上げてあげたのは俺なんだから、その見返りに、俺が認めない限り自由な恋愛は許さない、ってこと?
バッカじゃないの?
それ、テンプレ物語の悪役キャラそのまんまじゃん。
他のAKBメンバーも「FU○K」とかいう文字の書かれた帽子だか何だかを見せて「これが今の私の気持ち」とか言ったらしい。
www.j-cast.com
女性が結婚するんだよ!?誰だって祝福されたい瞬間だよ?
もうね、こういう人たちの"心の貧しさ"には同情を禁じえません。
■婚姻の自由は憲法に定められた基本的人権だ!結婚するのに叩く奴は何考えてるの?
この人たちの言っていることは、一見正論です。
なんといっても総選挙には"金が掛かる"。だって「投票券を金で買うシステム」なんですから。
他のAKBメンバーの批判のロジックは「どうせなら総選挙前に結婚宣言して出馬を見送るべきだった」にほぼ集約される。
あとは「そもそも恋愛禁止というルールを破った悪い子」という意見。
でもね、須藤さん自身、そんなことは分かっていたと思うんですよ。
今回の結婚宣言だって、例によって文春砲が彼女の"お泊り愛"をスクープすることが分かって、おそらく急きょ先手を打って自ら発表することに決めたんでしょう。
もともとは総選挙の会場で言うつもりなんてなかったと思いますよ。
言ってみれば、大人が無理矢理彼女を窮地に立たせた。
そりゃあもちろんその前提として、世間が知らない間に恋愛はしていたのでしょう。
アイドルをやりながら「恋愛禁止」にも関わらず誰かと恋愛していた。
でも、人が誰かを好きになるのは本来自由じゃないの?という、至極当たり前のことを改めて言わなきゃいけないというこの違和感。
だってそもそも「婚姻の自由」は憲法24条に保障されているんです。
そしてこの条文の中には「婚姻時期の選択の自由」も含まれている、と法学的には解釈されています。
当然、その婚姻の前提としての「恋愛の自由」も保障されている、と見做されているわけです。
憲法というのは、ここ日本国においては最上位の法典です。
どんな法律も、憲法に違反している時点でその効力を失う。
だから、たとえAKBの中に「恋愛禁止」という"私的"ルールがあっても、そもそも憲法に違反している時点で拘束力は何もない。
★政府が結婚相手を指名する"恋愛禁止"の世界「恋と嘘」いよいよ7月スタート★
そう、この「拘束力」というのが重要なところです。
確かに「恋愛禁止」というのは、アイドルとファンとの関係において、精神的な拠り所となり得る。
別の男と付き合っていない、という前提において、ファンはメンバーに疑似的な恋愛感情を抱き「ワンチャンあるかも」と夢に浸れる。
でもそれはあくまでアイドルというバーチャルな世界における"方便"というか"設定"なんだってことをお互い忘れちゃいけない。
十代後半から二十歳前後の若い女性にとって「恋愛」は人生の主要なテーマです。
いくら暗黙のルールで縛ったところで、好きになったらしょうがないじゃない。
彼女が人を好きになった時、恋愛禁止というルールとの間で深く思い悩んだことは想像に難くありません。
そして最終的な結果として「結婚」という、恋愛ステータスの中で一番最高の選択をした。
立派じゃないですか!?
他の某人気メンバーは、男と乱痴気騒ぎを起こしたことを暴露された時、完全スルーした。
リベンジポルノ写真が流出した超人気メンバーも、最終的には今堂々と表舞台で活躍している。
いずれも、自分の恋愛から逃げて(男を捨てて)開き直った。
そんなのに比べたら、キチンと自分の恋愛に結論を出して「結婚」を選択した彼女は、リスペクトこそすれ、批判の対象にはならないでしょう。
そして"方便"を最後まで守って自分が恋愛していることを隠し続けた。本当は、普通の女の子と同様に、彼氏を自慢したり、大手を振ってあちこちデートしたかっただろうに。
いや、確かに"運営という立場"の人は、文句の一つも彼女に言う権利はあると思いますよ。
だって"暗黙のルール"を破っていたのは事実ですからね。
でも、彼女という"人間"の人生に直接関わらないし関われないただのファンや、その他外野(ましてや卒業したOGたち)が、彼女の生きざまをあーだこーだと批判するのは筋違いなんじゃないかな~、と思います。
「いいお友達です」とか「付き合っているのは事実です」とかじゃなく「結婚します」と宣言するところまで一気に突っ走った彼女、敵ながらあっぱれ、じゃないですか!?
確かにビックリしました。でも、次のリアクションは「おめでとう」でいいんじゃない!?
それをなんだかんだと正論を振りかざしていつまでもグジグジ批判することを、日本語では「野暮」っていうんですよ。
■読んだこともない奴がラノベを批判する気持ち悪さ
話は変わって大阪府門真市。
市立中学校の図書室蔵書として公費購入されたライトノベル、いわゆる「ラノベ」が、市議会で「わいせつ煽情的で学校図書に相応しくない」と問題視され、関係者が購入を謝罪し、生徒への貸し出しも行われなくなった、という事件です。
もうなんていうかね…
議会でこの購入をわざわざ問題視して批判を繰り広げた市議といい、それに迎合?して生徒への貸し出しをNGとした市教委といい、その尻馬に乗ってラノベ気持ち悪い、とかツイッターで呟いている無数の人々といい…。
ホンマにアホばっかりやな(大阪弁風)。
ことの発端は、生徒からの要望だったそうです。
「図書室にもラノベを置いてほしい」ということで、当該中学校の図書室担当の女性教諭が、ネットで紹介されているランキング上位作品を無作為に抽出し、学校の「内部決裁を受けて」購入したはいいものの、届いた書籍の表紙がちょっとエロい、ということが分かり、貸し出しをやめたんだとか。
はぁ…。
ため息しか出ません。
ちなみに、具体的にはどんな作品だったかというと。
▽「恋愛負け組の僕に、Hなメイドが届きました。」(宝島社)
▽「おんせん部!」(同)
▽「エロマンガ先生」(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)
▽「モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)」(同)
▽「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」(同)
いずれも、いわゆる「有害図書」に指定されているものではありません。いいですか?ポルノ小説ではないんです。
最終的には門真市立図書館での貸し出しが決まったそうです。
僕自身は上記の中で「エロマンガ先生」と「ネトゲの嫁~」しか知りませんが(いずれもアニメ化されてますので)、2作品とも、とても楽しく、時には登場人物の複雑な心理描写もあったりして、若者たちの青春の一コマが活写されている、素敵な物語です。
今回この問題で批判を繰り広げた連中のなかに、これら作品を「ちゃんと読んだ」うえで批判したという人が居たら名乗り出てくださいね。
どこの、どの文章がダメなのか、僕と公開の場で議論しましょうか。
まあ市議さんも、市教委の先生たちも、誰も読んでいないんでしょうけど。
■今回の事件が「リアル図書館戦争」だということに気づかなきゃダメだよ!?
実は今回の批判の主たる論旨は「イラストがエロい」ことなんだそうです。
今どきのラノベの挿絵はみんないわゆる「萌え絵」で、かわいい女の子が肌も露わにしなを作って微笑んでる系のイラストが主流です。
まあそれは認めます。
思春期の男子中学生が、そんなイラストに思わず興奮して、クラスの同級生女子にちょっとエッチい感情を抱くかもしれない、という懸念は分からないでもない。
★実際のところイマドキの中学生がこの程度で昂るかどうかは疑問ですねぇ★
TVアニメ「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」第3巻発売告知PV
でもそれを大人が判断しちゃダメでしょう。
学校図書に相応しいか相応しくないか!?
このイラストは女性を性的愛玩物として下劣に描いているのかどうか!?
それを議論し、結論を出すのはあくまで当事者たる生徒たちであり、学校の中で完結すべき問題です。
その中で「いや、ツイッターにもそんな感じのイラストは氾濫してるよ」とか「肌の露出がどのレベルなら許容されるのか?」とか、表現の自由について生徒たちがリアルに考える教育の大きなチャンスになったかもしれない。
それなのに、したり顔の議員が鬼の首取ったように噛みついて圧力を掛けたり、教育委員会が恣意的に適切かどうかを判断して最初から書物を隠したり。
(まあ学校図書館の品位だなんだ、って心配するのも分かりますが、昨今の活字離れの風潮の中、生徒がとっつきやすい図書を読書の入り口にする、ってことのほうがよっぽど教育的価値がある、という理屈だってありますよね)
ましてや今回の問題の本質は、作品の文章それ自体ではなく、表紙イラストがケシカラン、ということで書物自体をNGとしてしまった、というピント外れの処置にあります。
憲法には、表現の自由、も認められています。
これに関連して、印刷・出版の自由、も認められています。
つまり、それら創作物を自由に閲覧する自由も、私たちは持っています。
それを、一部の大人たちの価値観だけで、勝手に閲覧禁止にしたり、図書館の蔵書を選別したりする。
これを「検閲」あるいは「焚書」と言わずしてなんというのか!?
自分を含めて、世の中のクリエイター・表現者たちは、この動きが当たり前に受け止められているこの社会に、強い危機感を持たなければいけないのではないかと思うわけです。
★中国であまりに酷い検閲を受けたことで世界中で話題になった「Re:ゼロから始める異世界生活」★
岡田准一さんが主演を務めた映画『図書館戦争』は、まさにそういった「図書の検閲」が横行するフィクションの世界で、本を守るために武器をもって戦う、というトンデモストーリーだったわけですが、そんなこと日本では実際に起こるわけないよね、と高を括っていたら、今回のこの騒動ですよ。
共謀罪(本当の名称は「テロ等準備罪」)反対を叫んでいるその口で、ラノベはケシカランというその政治センスのなさ。
今の社会のいろいろな自由は、先人たちが血で贖(あがな)ってきた結晶である、ということが分かっていないんでしょうね。
平和ボケ、ここに極まれり。
■犯罪を犯した人物が読んでいたからその漫画が悪い、というトンデモ理論
最後はコレ。埼玉県草加市で「放射能の検査をしたいから入っていいですか」と言って民家に侵入し、女子中学生の体を触ったとして逮捕された35歳の男。
この男が、とある同人漫画にヒントを得て事に至ったと供述したことから、警察がその漫画を描いた都内在住の同人漫画家に注意を喚起したという話。
なんじゃこりゃ!?
要するに、犯罪を犯した奴が参考にしたから、その作品が犯罪の端緒になった、自重せよ、という理屈ですよね。
警察の訪問を受けたこの同人作家さん、いったいどんな気持ちでこの話を受け止められたんでしょうか。
というか、埼玉県警、自分たちの行動は果たしてどんな意味を持つのか!?
1ミリでも考えて行動したんですかね!?
これってよくある「サブカルに対する偏見」以外の何物でもありませんよね。
この犯人が、例えば村上春樹を愛読してて、犯行現場で例えば「ウイスキーでサンドイッチを流し込んで」(笑)春樹っぽい行動をしてみたかった、って供述したら、埼玉県警は村上春樹のところに行って、そういう表現は自重せよ、って注意喚起したんですかね!?
つまり、今回の警察の行動には、なんの意味も価値もない、ということです。
世の中、さまざまな表現に溢れています。
意識しようがしまいが、人間の行動なんてだいたいパターンは決まってるわけですから、なんかやれば、たいていなんかで表現されていた行動に似通ってくる可能性があるわけです。
だから今回の一件も、犯人がたまたまこの作品を読んでいて、その中の表現にヒントを得て、ぶっちゃけセリフを真似て犯行に及んだ、というだけのことです。
そりゃこの作品を読んだであろう他の多数の人間がこぞって同じ行動に出て、全国各地で一斉に同様の犯行に及んだら、その作品自体に「犯罪を惹起する何らかのサブリミナル効果」とかなんとかが意図的に隠されていることを疑い、作家に事情を聞く、というSF的展開もあり得るんでしょうけど。
★神戸殺人事件が小説と同じ展開を辿った稀有な例「インザ・ミソスープ」★
今回はこの男"だけ"が作品を真似て犯行に及んだ。
つまり、作品が悪いんじゃなくて、圧倒的に、決定的に、この男"だけ"が悪いんです。
なのに警察は今回わざわざ国家権力を行使して作家のことを調べ上げ、あまつさえ作家のところにわざわざ乗り込んでいって説教を垂れたという…。
この問題の本質は、国家の気に食わない奴は、いつでも簡単に素性を調べ上げていとも簡単に圧力を加えることができるんだよ、と証明して見せちゃった、ってことなんですよ。
ふ~ん、思想警察!?
戦前の「特高警察」!?
じゃあさ、犯人が包丁で人を刺したら、警察は全国の包丁メーカーに「包丁を作るな」って言わなきゃいけないよね。
車で繁華街に突っ込んだ奴がいたら、すべての自動車メーカーに「車の製造禁止」って言わなきゃいけないよね。
賢明なる読者のみなさんなら、今回の埼玉県警がやらかしたことの危うさ、お分かりになりますよね。
■理不尽が横行して困るのは私たち自身だよ
今回取り上げた3件。
いずれも「理不尽」という共通の言葉で括れると思います。
誰に対しても本来認められている「結婚」を一方的に攻撃する人たち。
誰かの作った創作物を一方的に「キモい」と拒否する人たち。
リスクになるかもしれないと表現物を一方的に規制しようとする人たち。
自分は関係ないからとそれらの動きに無関心である人たち。
あるいは、一時の攻撃本能を満足させるために積極的にこれらに加担する人たち。
こういうことって、いずれ自分に跳ね返ってくると思うんですよ。
すべての芸能人は結婚したい時はファンにアンケートを取って、過半数の賛成票を取らないと結婚できない、という社会的慣習が出来たり。
AKBに刺激を受けたどこかの間抜けが重大なテロを引き起こしたので、AKBは解散せよ!と国会で「AKB解散法」が成立したり。
ツイッターでイラストを公開して、どこかの誰かが1件でも不快感を訴えたら問答無用で絵師さんが逮捕されたり。
ちょっと過激なサウンドのロックを作曲したら、風紀を乱すからと作曲家が拘束されたり。
そんなことになるわけない、って本当に言い切れますか?
★たとえばこんなインモラルな百合作品が自由に楽しめる社会がいいと思う「捏造トラップ」7月スタート★
自由に物事を表現できない社会には、息苦しさと閉塞感が漂います。
ここ数年、日本社会全体がこうした「社会的制裁」に鈍感になりつつある、あるいは、常に誰かを攻撃している、スケープゴートを探し続けている、と感じているのは僕だけなんでしょうか。
私たちの世界から、「寛容さ」がなくなりつつある、と思っているのは僕だけなんでしょうか。
僕は、いつまでも自由で伸び伸びとした社会で、自由に創作活動をしていきながら、夢を叶えたいな、と切に思います。