れらpです。
先日4月19日、AKBの小嶋陽菜さんが卒業しましたね。29歳、グループ最年長だったそうです。
AKBがまだ売れない地下アイドルの時代からずっと第一線で活躍してきた最後の1期生の卒業ということで、なんだかAKBのひとつの時代が終わった気がしますねぇ。
彼女はこれから、どんな新しい人生をスタートさせるのでしょうか。
彼女に限らず、アイドルたちはグループを卒業した途端、世間という"荒野"に投げ出されます。
ごく限られた人は、女優やタレントとして生き残りますが、大半の子は芸能活動が先細り、やがて人々の記憶から消えていきます。
今日のエントリーは、そんな元アイドルたちが、とりあえず"困ったら目指す"と噂の「舞台」の話をしてみたいと思います。
そして、この記事を書いている最中、ビッグニュースが飛び込んできました。今日はそれを踏まえて記事を構成してみたいと思います(今回も長いです←電車の中で読むにはちょうどいい長さ笑)
★自ら夢に向かって荒野に乗り出す少女たちもいるのだ「少女たちは荒野を目指す」★
■多くの女性がこぞって注目する「2.5次元ミュージカル」って何だ!?
「ぴあ総研」というシンクタンクが、昨年9月にこんなデータを公表しています。
これは、俗に「2.5次元ミュージカル」と称されるライブエンターテインメントの市場規模の推移を示したグラフです。
要するに、アニメ(2次元)原作の物語を実際に役者(3次元)が舞台で演じる、というジャンルのミュージカルのことです。
ご覧のとおり、ここ数年急激にその規模を拡大していることが分かります。
2015年の市場規模は104億円、前年比10.2%増です。
先日音楽業界の動向記事をエントリーした際、ライブ動員規模がここ数年急激に拡大傾向にあることを指摘しました。
人々は今、CDなどの「コンテンツ」ではなく「実体験」という"リアル"にシフトしている、というお話をしたわけですが、その傾向は音楽ライブだけではなく、こういった「舞台」にも波及している、ということが見て取れます。
さて、そんな「2.5次元ミュージカル」。
"アニメ原作"と書きましたが、実際にどんな演目が上演されているのでしょうか。
業界最大手「ネルケプランニング」というプロダクションが公開している上演作品一覧を見てみると…。
などなど。
ネルケさんではありませんが『弱虫ペダル』という作品も最近話題ですね。
いずれの作品も、いわゆる"イケメンハーレムアニメ"であることが分かります。(「NARUTO」はイケメンハーレムが主題ではありませんが、オタ女性に大人気のキャラが多数登場することには間違いありません)
つまり、舞台上でも多数のイケメン俳優が役を演じる、という作品ラインナップになっているわけです。
ということは…。
おそらく舞台のお客さんの大半も、「イケメン好きの女性層」であることは想像に難くないでしょう。
■多数の若手イケメン俳優を輩出する優良ファーム「2.5次元」!
上記に挙げた中で、一番有名な作品は『テニスの王子様』でしょう。
俗に"テニミュ"の愛称でも呼ばれているこの作品は、2003年に初演され、15年目を迎えたこの4月22日でついに1,500回公演に達したそうです。
TEAM Live HYŌTEI テニミュ通算公演数1500回達成のお知らせ | テニミュニュース | ミュージカル『テニスの王子様』公式サイト
2015年3月末時点で累計動員数200万人を超えたという公式発表がありましたので、現在は300万人を目指している、というところでしょうか。
日本のミュージカルとして超有名な劇団四季の『ライオンキング』が、初演から約16年、9,849回目にして動員1,000万人を達成したという記録がありますので、それには及ぶべくもありませんが、なかなかどうして、大した記録だと思います。
そもそも劇団四季の演目は『ライオンキング』をはじめ『アラジン』『リトルマーメイド』『美女と野獣』『ノートルダムの鐘』など、ディズニー作品が大半です。
『キャッツ』や『ウエストサイド物語』なども上演していますが、これらはすべてブロードウェー作品。
対して『テニミュ』はもともとが日本の漫画原作(週刊少年ジャンプ)でアニメの舞台化ですから、メイドインジャパン。純日本製です。
★アニメでは"テニプリ"の俗称で人気でした!「テニスの王子様」★
今ではアジアを中心として、海外公演でも続々と成功を収め、主戦場の舞台以外にも「Dream Live(通称「ドリライ」)」という音楽中心の派生イベントが大成功。
興業的には完全に勝ち組といえるコンテンツになりました。
そんな『テニミュ』は、多くの若手イケメン俳優を輩出しています。
その筆頭格は、俳優の斎藤工さんでしょうか。
去年は戦車に搭乗中ゴジラに踏みつぶされてしまいましたが(笑)、ドラマ『昼顔』でも見せたその溢れんばかりのエロティシズムは、さまざまなドラマや映画で世の女性たちを虜にしています。
他にも長身イケメンでスペイン人ハーフの城田優さんや『仮面ライダードレイク』でも有名な加藤和樹さんなど、まあ出るわ出るわ。
まるで畑(ファーム)で獲れるがごとく、イケメンのオンパレードです(ほんの数パーセントでいいからこの人たちのDNA欲しかったわ)。
今、日本で活躍している若手イケメン俳優の多くが、この『テニミュ』で舞台デビュー、あるいはこれが芸能界初デビュー、という構図が完全に出来上がっている。
オーディションで集められ、上演中に人気を博し、会期が終わるとドラマや映画に巣立っていく、という仕組み。
この舞台が"若手イケメン俳優の登竜門"になっているのは、こういう流れがあるためです。
「2.5次元ミュージカル」とは、かくも怪物的求心力を持ったライブコンテンツだった!
■2.5次元は若手イケメン俳優の登竜門!じゃあ舞台女優の登竜門ってないの!?
学生時代「SKD(松竹歌劇団)」というところで、短期間ですが大道具のアルバイトをしていました。
残念ながら96年に解散してしまいましたが、当時は西の宝塚に対して東の松竹というくらい、日本では戦前から続く歴史のある超有名なミュージカル劇団でした。
年配の方はご存知の方も多いでしょうね!
だから、あの有名な「大階段」とか、僕も一応ナグリ(=金づちのこと)を持って組み立てていたんですよ(正確には手伝っていただけ笑)。
劇団員の皆さんが背中に大きな羽根を背負って煌びやかなステージに出ていくさまを、舞台袖で見守ったものです。
皆さんもご存知だと思いますが、宝塚にせよ、松竹にせよ、演者はすべて女性です。
こういうのを伝統的用語で「少女歌劇」と呼ぶそうです(一番最初にこの言葉を使ったのは「宝塚歌劇団」だそうな)。
皆さん女性ですから、舞台では「男役」というのが存在します。宝塚の男役出身で有名なのは、大地真央さんとか真矢みきさんあたりですかね。
ちなみに女役で有名なのはやはり黒木瞳さんでしょうか。
まさに錚々たるメンバーです。
宝塚歌劇団が「少女性」を売りに、現在に至るまで確固たる地位と名声を築いているのはご承知の通りです。
いっぽうSKDは宝塚との差別化を図るべく、途中から「大人の色気」路線にシフトしたそうで、それが女性一般の支持を失うきっかけになり、解散の憂き目にあったのでは?と囁かれています。
それはさておき、日本の伝統的な歌劇団はみな、自社の養成学校出身の者しか採用しないシステムを貫いています。
(というか今やまともに稼働している歌劇団は宝塚しか存在していないので、宝塚のシステム=日本のシステム、ということになりますね)
宝塚歌劇団で舞台に立つには、必ず「宝塚音楽学校」を卒業しなければいけません。
もちろん、ひとつの公演が終わっても、彼女たちは引き続き歌劇団に所属し続け、次の公演に備える。このサイクルは、退団するまで続きます。
中途で外部の人間が宝塚の舞台に立ったり、宝塚の劇団員が劇団に在籍したままドラマに出たりすることはない。
完全にクローズドリンク、閉じられた世界です。
ある種浮世離れした、非常に敷居の高い世界、と言ってもいいでしょう。
ただでさえ「舞台」というと、普通の娯楽とは違った距離感というか、とっつきにくさを感じるものですが、やってる方たちがことほど左様に浮世離れしてるんですから、さもありなんといったところです。
もともと宝塚は世間から"特別視"されています。
NHKの全国ニュースで、宝塚音楽学校の入学式の様子が取り上げられるでしょう。
「一私企業の養成学校の入学式」をNHKがニュースにする、というのは、よく考えたら非常におかしな話です。
例えは悪いですが、どこかの有名な料理専門学校の入学式をNHKが全国ニュースで伝えたことがあるでしょうか?
NHKという放送局は、特定の企業に不用意に与することがないよう、普段から細心の注意を払っています。
なのに宝塚はニュースにする。
これは、宝塚歌劇団という組織が、100年を越える歴史を持ち、日本の文化史に燦然と輝くレガシーと化しているからなのです。
一私企業の学校、という存在を超越している。
ちなみにAKBグループも、100年を越えてずっと人気が続けば、宝塚と同じようにレガシーになって「今年の研究生が初舞台に立ちました」なんていう全国ニュースが流れるようになるかもしれません笑
脱線し過ぎましたが…。
要するに今の日本の舞台女優の世界というのは、二種類しか存在しない、ということなのです。
「宝塚か?それ以外か?」
もちろん世の中には、俳優座とか、ごく限られたわずかな有名実力劇団もあるにはあるわけですが、そういった劇団は別に2.5次元ミュージカルみたいにオーディションして公演して芸能界に送り出す、といったファームの役割を果たしているわけではありませんから、結論から言うと、今日本には「若手女優の登竜門」となるいわば"公然の"舞台システムが存在しない。
■男性に受ける2.5次元ミュージカルは簡単に成立しない
こうやって見ていくと「売れない元アイドルが舞台に流れる」という道筋がいかに安直で無計画で将来性のないプランなのか察しがつくと思います。
"芸能界へのイケメン供給源"としての役割が確立されている2.5次元というコンテンツを持たない今の女優の世界では、「舞台に立つこと」が必ずしも「芸能界で活躍」という図式に投射されていないのです。
「2.5次元ミュージカル協会」という組織が2014年に発足したそうです。
アニメ原作の舞台ですから、結構見知ったアニメ関連会社も名前を連ねていますね。
その代表理事であり、前述のネルケプランニング設立者の松田誠氏も、いまの客層が極端に女性に偏っている(客の9割が女性)ことを認識していて、男性客層の開拓が課題だ、と語っています。
興業的に成功した2.5次元ミュージカル。
イケメンハーレムアニメを原作にしたから女性客が大半なのだろう、じゃあ男性客を取り込むには「かわいい女の子ハーレムアニメ」を原作にした舞台を作ればいいじゃないか?
と思うかもしれません。
でも、それって実は…少し短絡的過ぎるんです。
さあここからはアニオタれらp全開で行きますよ!
結論から言います。
このやり方は絶対に上手くいきません。
■もともと水と油のアイドルオタクvsアニメオタク
昔からアニオタとドルオタ(=アイドルオタク)はウマが合いません。
アニオタが愛でているのは基本的に2次元の世界。その2次元に命を吹き込む声優さんたちも相当リスペクトしています。
これに対しドルオタは実在の3次元の少女たちを心の底から応援しています。
アニオタは3次元にはもともと興味がないし、ドルオタは架空の世界にのめり込むアニオタを馬鹿じゃないのか?と思っています。
ドルオタはアニオタの"コミュ障"ぶりをキモいと言い、アニオタはドルオタが疑似恋愛にハマって金だけ吸い上げられている可哀想な人たちだと言います。
アニオタはアニメが日本のポップカルチャーの最先端だと自負し、世界で通用しないアイドルの世界を軽蔑しています。
最近は、アニメの声優にアイドルが進出してきて、アニオタの神経を余計逆なでしています。
逆にアニメ発で声優アイドルユニットが続々登場していることにドルオタは眉をひそめています。
彼らは声優ユニットをアイドルと認めず、声優は声ばっかりで見た目がダメだとdisります。
いや~、実に不毛な戦いですねぇ。
僕みたいにアニメもアイドルもどっちもいいね!って何で言えないんでしょうか|д゚)!?
ちなみに僕はアニオタが大集合するアニソンLIVEも、ドルオタが大集合するアイドルLIVEも、どっちも手掛けますが、集まってくる観客にもそれぞれ分かりやすい特徴があって面白いですよ。
アニオタはドルオタに比べるとLIVEでの態度はかなり良いです。
いわゆるヤラカシはいません(ドルオタは現場によっては酷い有様です。オタ同士の殴り合いとかありますからね)。
でもアニオタは理屈をこねる人が多いです。あの作品をああいう演出で表現するのはオカシイ!と本気で食ってかかってきたります。
その点ドルオタは、アイドルちゃんに「お願い」って言われると素直に演出に協力してくれたりします。
観客としてのパワーは、どちらも負けません。どちらも最強です。
ともあれ、今のところこんな雰囲気です。
女性観客向けの2.5次元ミュージカルが大成功を収めているからといって、男性観客向けの2.5次元舞台を仮にやったとして、こんな人たちに受け入れられるとは到底思えません。
■ストイックな男性アニオタが示す「コレジャナイ感」
男性向けの2次元原作って、たとえばどんなのがあるでしょうか?
今までで一番成功したのはやはり「ラブライブ」でしょうね。
アニメの中のアイドルグループ「μ's(ミューズ)」が実際に画面を飛び出て、実在のアイドルグループとして活躍しました(残念ながら期間限定ということで昨年解散しましたね)。
NHKの紅白にも出ましたから、ご存知の方もいるでしょう。
でも「μ's」は実際に「ラブライブ」で活躍した本物の声優さんたちで構成されたユニットでした。
だからアニオタにも受け入れられた。
実際、声優さんのLIVEは今までもアニオタたちの熱烈な支持を受けてちゃんとビジネスとして成立してきた。
これが、アニメとはまったく関係のないキャストたちを用いた舞台となったらいかがでしょうか。
ただでさえアニオタは3次元に興味のない人たちです。
しかも作品に登場するキャラクターに対しては、もともと絶対神ともいうべき尊崇の念と絶対不可侵ともいうべき神聖性を抱いている。
たとえば…カワイイ女性キャラがたくさん登場する「日常系」の代表作品。
★「ご注文はうさぎですか?」★
伝説の萌え萌え主題歌をはじめとして、ヒロインたち(チノちゃん一番人気)の可愛さは超弩級と呼ばれ、この作品が最終回を迎えた時は多数の「ごちうさ難民」がこの世をゾンビのように彷徨ったと言われています。
★これがその伝説の萌え主題歌「Daydream cafe」★
Petit Rabbit's「Daydream café」MV -short ver.-(TVアニメ「ご注文はうさぎですか?」OPテーマ)
この作品のキャラ、現実世界でいったい誰が演じることができるでしょうか?
答えは、否、です。
この世の中の誰も、チノちゃんを演じることはできないでしょう。
まず、最大のネックは「声」です。アニメの中で確立されているチノの声、これが違った時点で「コレジャナイ感」に満ち溢れ、怨嗟の念が渦巻くでしょう。
続いて見た目。チノちゃんのロリ性は絶対不可侵の領域。これを、3次元の誰が演じたとしても、アニオタが許容することは絶対にないでしょう。
よく半端なコスプレイヤーがコミケのたびにSNSに晒されてdisられまくってるのと同じ構図です。
レイヤーは個人の趣味でやっているからあの程度で済んでいますが、これを料金を取ってビジネスで展開しようとすると、暴動レベルになること必至です。
では、演者を仮にアイドルがやったとしたらどうでしょうか。
実際、アイドルには見た目カワイイ子がいっぱいいます。
3次元で用意できる、最大限のビジュアルです。
でも、この手法は、今度はドルオタからも叩かれるでしょう。
もともとアニメを敵視しているドルオタからすれば、なんでわざわざアニメ原作の作品に出るんだ?という声から始まって、作品世界が紡ぎ出す、途方もない非現実感に拒否反応を示されるのがオチです。
ちなみにアニオタからも叩かれまくるのは間違いありません。
「少なくともコイツじゃない」「アニメの世界観を壊すな」という声が飛び交います。
アニメ原作の実写映画化が軒並み批判されるのと同じです(そして大抵映画化は大失敗し、アニオタは今まで何度も苦汁を飲まされている)。
アニオタ、とりわけ男性アニオタは完璧主義者が多い。
舞台にするなら、完璧にアニメを再現したものでなければ、絶対に受け入れられないのです。
■女性は2次元と3次元の区別がつくから2.5次元が成立する!
実際、もう十数年も2.5次元ミュージカルというジャンルは成長を遂げてきました。
その間、男性観客向けの2.5次元がコンテンツとして生まれていない、ということは「この手法では出来ない」といっているのと同じです。
もともと舞台というのは「省略」の世界です。
たとえば「テニミュ」は、試合中のボールのラリーを「打球音とピンスポット」だけで表現しました。
「弱虫ペダル」は自転車レースの物語ですが、それを「自転車のハンドルだけ役者に持たせて」あとは自転車を漕ぐ演技だけをさせて表現した。
舞台上の、目に見えないパーツや情景のディティールは、すべて観客の「脳内補完」に頼っているのです。
そういうイメージ強化ができるのは女性ならではの"脳力"です。
女性観客は、アニメのイケメンキャラたちをよく知っているけど、舞台で演じている3次元のイケメン俳優たちと、2次元キャラを上手く脳内で融合し、自分の中で上手く折り合いをつけることができる。
そして「コレはコレ、アレはアレ」と割り切って楽しむことができる。
これに対し、男性というのは、誤解を恐れずに言えば「脳内補完が出来ない生き物」です。
実にめんどくさい(笑)
やはり女性はプラグマティストなんでしょう。
いつまでも夢を追っている男性たちは、とうてい敵いそうにありません( ゚Д゚)
では、いったいどうしたら舞台女優のファームたる"公然の舞台システム"というのは出来上がるのでしょうか!?
■果たして舞台女優のファームはこの先できるのか!?ついにあの作品が舞台化!今後の行く末が決まるぞ!!
今、アイドルちゃんや無名の若手女優志望の子たちが出演する、いわゆる「アイドル舞台」というのが存在します(以前のエントリーでも少し触れたことがありますね)。
具体的なプロダクション名を挙げるといろいろ問題がありそうなので実名は控えますが、この手のアイドル舞台、結局はアイドルや出演キャストの「人気」でチケットを売らせ、出演者同士でも"ご指名"を競わせ、チケットの販売枚数でキャスト自体にもインセンティブが出ることでファンたちも煽らせる、という結構ブラックな仕組みな割には、その舞台に出たことによるその後のメリットがほとんどない、というアリ地獄のようなスキームですね。
僕はこの分野に関わりが一切ないので(したがって変なしがらみがまったくないので)、この際ハッキリ書いちゃいます。
この手の舞台、要するにキャストたちを次のステップに押し上げてやろうという気がまったくなく、ただ一部の演劇ビジネスをやっている人たちが、演劇で食っていくためにそういうスキームを作っているだけなんです(まあそれもビジネスの一形態ですからその手法自体の良し悪しを論じる立場にあるわけではありませんが)。
だって、出演するのに演者のほうがお金を払わなければいけないんですよ(まあ「チケットの事前購入」という名目ですが)。
確かにどこの劇団でも身内のノルマというのはあって、ある程度チケットは手売りで捌くものではあるんですけど…。
少なくとも宝塚や四季が、劇団員を採用するにあたって劇団に金を払え、と言っているとは思えません。
俳優は、劇団からギャラを"貰う"ものであって、劇団に上納金を払わないと舞台に立たせてもらえない、というシステムは根本的にどこかがオカシイ。
少なくとも僕は、今までの人生の中で「出演者やゲストにお金を払ってもらって舞台を作ったことはない」。
さて、そんな中、たった今ある情報が飛び込んできました。
なんと、前述したあのネルケさんが「けものフレンズ」の舞台化を決定したそうです!
メインキャストはやはりアニメの声優さんたち、ということですが、一部アニメとは関係のない女優さんも参加するみたいです。
みなさん「けもフレ」ご存知ですか!?
前クール冬アニメで最初SNSを中心に火が付き、やがて大ブームを巻き起こし、社会現象となった3DCGアニメで、今では日本中に「フレンズ」たちが溢れかえっています。
当初はCGのクオリティが低いとか、内容が淡々としている、という理由で「クソアニメ」呼ばわりされていたものが、回を重ねるごとにそのただならぬ世界観が垣間見えるようになり、尻上がりに人気が爆発した、まさに覇権アニメです。
★これが話題の「けものフレンズ」!ブームのお陰で全国の動物園が息を吹き返しました!★
(いまカラオケでコレを歌うのが最先端なのですww)
TVアニメ『けものフレンズ』主題歌「ようこそジャパリパークへ / どうぶつビスケッツ×PPP」
この作品、ファンは男性ばかりではありません。
動物が擬人化した可愛らしいキャラたちは、男女問わず大きな支持を集めているので、もしかしたら舞台コンテンツとして商業的に成功し、レギュラー演目になるかもしれません!
そして一番肝心なのは、この作品の登場人物たちはすべて「女性」ということ。
作品の世界観的に、舞台オリジナルの設定がしやすいでしょうから、もしかしたら2次元のくびきから解き放たれ、無名の舞台女優さんたちが活躍できるきっかけになるかも!?
これは、俄然興味が湧いてきました。
断言しましょう。この「けもフレ」舞台化が成功するかどうか!?これで今後女優さん向けの2.5次元コンテンツが育つかどうか?が決まると思います。
みなさんもぜひ、舞台の行く末を一緒に見守りましょうね!!
さて、どうなることやら!?