私が２０年に亘りホームとして出させて頂いている浅草の演芸場・東洋館。
出入りし始めた頃は…沢山の師匠方がいらっしゃって、楽屋で打ち解け始めると、沢山の昔話を聴かせて頂いたものです。
朝まで麻雀やって徹夜で仕事行ったり、楽屋でも吞んでたり、はたまたヒロ〇ンまで…昔の芸人さんは随分破天荒な方が多かったようです。
女性関係も同じくで…それはまぁ、皆さん結構な感じだったみたい。
私は根っから真面目なもんで、上記のような遊びはからっきし。
果たしてそれが“芸の肥やし”になるのかというと、私はある部分大きな影響があるんじゃないかと思っているのです。
悪ぶっていたり、才能があるような雰囲気を醸し出そうとしてみたり、はたまた頭が切れる人であるかのように振舞ってみたり…全部バレる。
だから自然体で臨むのが一番だと思っているのですが…一方でその自然体だと自分をさらけ出すことになり、それはすなわち人間そのもので勝負しなければならない。
芸人の場合、そこで芸の肥やしを活きて来る。
普通じゃやらないようなことをやっている人間には次第と人間として身について来る、この辺が強い人って、何か言うでもなく、居るだけで面白い雰囲気みたいなものを醸し出していたりするのです。
アーティストも同じだと思う。
ある種うわべだけのキャラクターは見てる人たちを騙せない。
ある種の神秘性も伴いながら、危険な香りのするアーティストたちに音楽以外の要素として惹かれる、それはかなり大きな要素となるんじゃないかと思うのです。
ただ表現者のエッセンスの１つである“破天荒”な要素は、昨今においてはかなり生きていくにはかなり厳しい環境になってしまっているように思うのです。
２０２４年２月１６日
