打ち上げを行う場所は浅草東洋館から5分程歩いたところにある、いつもの“ねのや”。
三々五々に身支度を終えてタイミングのあった師匠方や芸人と店まで歩くのですが…その日、一緒に移動したのがこぼん師匠。
諸先輩方と何気ないひと時を共有する際、色んな会話をします。
それは芸事の話だったり、世間で話題になっていることであったり様々。
こぼん師匠に関して言うなら…こぼん師匠は基本、芸事の話をされることはありません。
諸先輩方の中には“ダメだし”をしたがる方も結構居て、後輩である我々的には既にその属性は把握しているので…結構その辺りで師匠方の求心力にも影響を及ぼすことも多かったり。
その日のこぼん師匠との会話は…先述の生まれたばかりの息子に関することでした。
とにかく常にピリピリしていて、常に焦っていた当時の私をお見通しだったんでしょう、はたまた私の方もその辺りの心境をこぼん師匠に吐露してしまっていたことも有ると思います…そんな不安定の極みだった私に対してこんな言葉を掛けてくれました。
「まぁ、いつかどうにかなってるから」
…この言葉は当時の私にとって、本当に染み入るものでした。
つい先日もご一緒させて頂いた際、こぼん師匠もそのことを覚えて下さってて…改めて感謝の気持ちをお伝えしました。
人が弱っている時、困っている時、追い込まれている時…周りに居る人が手を差し伸べたいと思っても、その実(そんなつもりはないんですが)知らぬ間に自分本位になってしまったりして…中々力になれなかったりすることが多いと思うんです。
そのような時、拠り所になるのが“経験”だったり“年齢”だと思うんです。
こぼん師匠の言葉は、何かと壁を作りがちな当時の私がすんなり受け入れられるだけの温かさを湛えていたのです。
そして…その後、私がおぼん・こぼん師匠を改めて尊敬することになった、大きな出来事がありました。
2023年07月20日