この『大竹まことゴールデンラジオ』の初出演は、私の芸人人生の中で非常に大きな意味を持つ出来事となりました。
その後『ゴールデンラジオ』に定期的に呼んで頂いたり、はたまた前の時間の番組のレポーターである我々がスタジオ出演する機会があった時は、大竹さんが隣りのスタジオから乱入してくれたことも何度かありました。
私はその度、心の中にあるあの喫煙所での話を心の拠り所として…大竹さんの胸を借りるべく一生懸命背伸びしながら絡ませて頂きました。
Wコロン結成を期に浅草に出入りするようになったり、新たな活動の場としてラジオの出演の機会に恵まれたこの時期、私の身近に居たお二人の大先輩の存在。
昭和こいる師匠と大竹まことさん。
宴席での私の粗相に対し、叱責の言葉を浴びせたこいる師匠。
ラジオ番組で若手である私の見せ方、見え方を教えてくれた大竹さん。
私の中でこのお二人の大先輩に対する印象は完全に対象的なものとなりました。
そんなお二人の大先輩を(結果的に)結びつける、ある失態を私は犯してしまいました。
『大竹まことゴールデンラジオ』に出させて頂いていた時のこと。
大竹さんから「浅草の方はどうなんだよ、行ってんだろ?」なんて調子で振りが来て、私は勢い余ってこんなことを言ってしまいました。
「こないだ興行終わっておぼん・こぼん師匠に声掛けて貰って呑みに行かせてもらったんですけど、そこで昭和こいる師匠にどえらい説教喰らったんですよ!」
大竹さんは「一体何やったんだよ?」と聞きますよね?
「呑んでて盛り上がってて、お酒のお替りとか灰皿が溜まってるのを交換しなかったら、メチャメチャ怒られたんですよ!」
納まらなくなった私は続けて…
「メチャメチャうるさいんですよ!」
一瞬、大竹さんが困惑したような、呆れたような表情をされました。
100%私が間違っています。
今ではそのことを充分理解しているつもりです。
しかしながら当時の私は…この世界で一旗揚げたい、爪痕を残したい、次のチャンスに繋げたいといった調子で、とにかく自分のことしか考えていませんでした。
今、この出来事を振り返ると…当時の私が実に自分勝手で、未熟だったかを痛感させられます。
2023年07月17日