いざ本番。
テレビで観ていた大竹まことさんと喫煙所で初めての会話。
イメージ通りのところとイメージに反するところがあって、想定を覆す物腰の柔らかさ。
とにかく一瞬にして人を惹き込む不思議なオーラ。
そして最後の一言。
私は一瞬にして大竹さんの人柄に魅了され、本番を前にしてある種の安心感を感じていました。
ところが…パートナーの光浦靖子さんに呼び込まれ、スタジオに入る。
意気揚々と自己紹介。
先程喫煙所で会話を共にしたあの大竹さんが…コチラの話なんて全く興味がとばかりに手にした鉛筆をコロコロコロコロ転がして遊んでいるではないか?
私は何も考えず、衝動的に「話聞けよ!」みたいな感じで突っ込んでしまいました。
続けて「エー歳して何やってるんですか!」とも。
口をついて出た、その私の二言を聞いた大竹さんはその刹那ニヤリと笑い、「何だよ、何の話だよ」と話の輪に参加してくれ、こちらが話した内容をしっかり受けて広げて盛り上げてくれました。
〔何て格好イー方なんだ!〕
男が男に惚れるとはまさにこのこと、私のこの日の共演をきっかけとして、大竹まことさんの虜になったのでした。
大竹さんがニヤリと笑った瞬間、私は大竹さんに試されたことに気づき、その前に喫煙所にて授けられた幾つかの言葉はその伏線であること。
全て大竹さんの術中にハマってしまっていたこと、まさに掌の上で転がされていたに過ぎないのです。
こんなことを大竹さんに言ったら「お前バカじゃねぇの」って感じで一蹴されそうですが…粗暴で何処か冷たいイメージのある大竹さんの温かさの一端を感じることが出来たのです。
2023年07月16日