また漫才協会から訃報を知らせるメールが届きました。
大瀬ゆめじ師匠がお亡くなりになられました。
75歳だったそうです、、、お若い、亡くなられるにはあまりにも若過ぎる。。。
いつもマイペース。
のらりくらりと自分のやりたいように行動するタイプ。
浅草公会堂で以前開催されていた『漫才大会』でも、皆朝早くに入り、終演になるまで1日居るのが慣例になっておりました(仕事がある場合は除く)。
ところが、ゆめじ師匠はふらーっと会場に現れて、出番が終わったらすぅーって一人帰っちゃうんです。
そのことに対して誰も物言いをつける人は居ませんでした…だって、もう〔言ってもしょうがない〕と分かっているから。
居ますよね、こういうタイプの人…周りに対してキャラクターが認知されたらもう勝ちですよね。
私はそんなゆめじ師匠と楽屋で雑談するのが大好きでした。
感覚が若くて洞察力がある、しっかり核心を突いて来るので話していて気持ちがイー♪
群れるのを好まないところもまた好きで…楽屋が一緒になると出番直前まで話し込むこともザラにあったくらいです。。。
元々は大瀬ゆめじ・うたじのコンビで“平行線漫才”という、唯一無二のスタイルで劇場を沸かせていらっしゃいました。
今でいうところのアンジャッシュさんの“すれ違いコント”の如く、ただ漫才ですのでちょいと違う。
うたじ師匠がうんちくみたいなのを語り、そのうんちくに対してゆめじ師匠はギャグを言うんですが…うたじ師匠は全く気付かずうんちくを語り続ける。
ゆめじ師匠は同じく気付いているお客さんとコミュニケーションを取りながらら笑いを取っていくという…言わば“お二人共笑いが取れるスタイル”。
お二方それぞれのキャラクターにもピッタリハマるし、浅草に出入りし出した頃…このネタを観た時、“浅草にもこんな洒落た設定の漫才をする方が居るんだ!”と感動したことを覚えています。
芸事でやって行くに辺り、大切にすべきことって沢山あると思うんですが、その中の1つである“オリジナリティー”を作り出すって素晴らしい能力だと思うのです。
元々のキャラクターが唯一無二であれば、そこを軸としてやれば良い訳ですが…中々そうは行きません。
そこで自らが“唯一無二になる”ために、芸人たちは苦悩するのです。
でも“唯一無二を創作する”ことって、とても難しいことなのです…今まで数多の芸人がこの壁を前にして夢を諦めて来たことか。。。
ゆめじ・うたじ師匠は漫才においてその“唯一無二”である、“平行線漫才”を確立した方々なのです。
2023年11月28日