コロナ禍になり、普段出させて頂いている浅草東洋館の運用も変更されました。
楽屋でのマスク着用、滞在時間は1時間以内で退館すること、37.5度以上の時は休演すること、などなど。
マスクはともかくとして、他の規制に関して言えば、実は当たり前のことなんじゃないかな、とも思ったりするんですが…その一方で、例えば滞在時間で言えば、本番以外の部分でのコミュニケーションが、例えば雑談の中からお仕事に発展したり、中々つながらなかった交友関係みたいなものが生まれたり、あとこれは芸人特有の話かもしれませんが…楽屋でのコミュニケーションが実は舞台上を含めたトークの練習になったり、などなど必要な部分も多々あったりすると思っているんです。
京太師匠と久々にご一緒した時、京太師匠は楽屋の中だけじゃなく、移動中の電車も、外でバッタリお会いした時も、常に欠かさずマスクを着用されていらっしゃいました。
師匠方によっては、その辺り結構達観してらっしゃるというか、割り切っていらっしゃるような方も居たりするんですが、その辺り京太師匠は最も徹底していらっしゃった方の一人だったと思います。
ある時、京太師匠からこんな話がありました。
「最近さ、言葉が前ほどに出て来ないことが増えて来てさ」
正直、私が拝見している範囲では全くそんな風には感じられなかったので…
「いやいや、全然大丈夫ですよ!本気で仰ってますか?」
…と、軽く反論したんですが、その言葉に対し、
「まぁ、歳のせいもあると思うんだけどよ、それよりさ、人と話す機会が減っただろ?これがまた良くないと思うんだよな」
…京太師匠の“言葉が出ない…”に関して言えば、傍目には全く感じないんですが、“人と話す機会が減った”ことに因る弊害については、私も本当にそう思うのです。
2023年11月5日