電話する度、師匠方のリアクションがらしさに溢れてて。
当時同じ一門だった、Wモアモアの東城けん師匠にご報告したら、本当に心底がっかりした感じが伝わって来て、申し訳ない気持ちと有難さで涙がこみあげて来たことを今でもはっきり覚えています。
「そうかぁ、解散しちゃったかぁ。」
「色々気に掛けて下さってたのに、本当に申し訳ありません。」
「コンビだからさ、色々あるよ、それは俺もコンビやっててよく分かってんだけどもさ。」
…Wモアモア師匠は、漫才協会の中でも指折りの“仲の悪い”コンビでした。
演芸のお仕事終わり、皆で打ち上げをしていても…いきなりギクシャクし出すこともしばしば。
そんな光景を我々後輩は特に大きく気に留めることもない位、それはまぁ、しょっちゅうの出来事。
その辺りの経緯を以て、“よく分かってんだけどもさ”という言葉に繋がって来る訳なんです。
「う~ん。。。」
「。。。」
「木曽ちゃんさ、やっぱりせっかくここまで築いて来れたんだから…」
「…はい。。。」
「勿体ないよなぁ。。。」
「。。。」
「…もう言ってもしょうがないんだろぉけどさ」
…いつも以上にゆったりした間でお話されるもんだから、その間にけん師匠の深い情感が籠められているのを感じて…不意にぐっと来てしまいました。
けん師匠についてはこの後改めてご紹介したい話があるんですが、少々説教が多い時もあるんですが、そこ含め実に情に厚くて義理堅い方なんです。
だからこそ刺さると言いますか、やっぱり幾ら良いこと言っててもうわべだけだと響いて来ないですもんね。
同じく情に厚くて義理堅い方だと思う、こぼん師匠にご報告した時の反応は…またちょっと違ったものでした。
2023年11月28日
相方の東城しん師匠は2022年2月に他界されました。