お電話でご報告した際、受話器の先のこぼん師匠の声は非常に落ち着いてらっしゃいました。
「そうかぁ。」
「はい、色々ご一緒頂いてたのに、本当に申し訳ありません」
…単独ライブにネタだったり、VTRだったりでご出演頂いた、その全ては“ご厚意”であり、実はお渡ししようとした少ないながらのギャラも全て突き返されました、つまり“ノーギャラ”。
その後、通販番組の企画で“お世話になった方に恩返しする”というお話で、お布団をプレゼントしたい方を提案することになった際、私が迷わずお願いしたのがそう、おぼんこぼん師匠。
それだけでは恩返しとしては全く以て足りていない訳ですが…志半ばで恩返し出来なかったことに対する気持ちが“申し訳ありません”という言葉になった次第。
「まぁ、大変なことも有ると思うけど、どうにかなるから」
…こぼん師匠の言葉は、解散した事実に対してではなく、その先に向けられたものでした。
そしてその言葉は…以前、まだ芸事で食っていけなかった頃、長男が誕生してバイトと芸事に明け暮れていた頃に掛けて頂いた言葉と同じものでした。
色んなご経験をされて来たこぼん師匠だからこそ発することが出来る言葉です。
「これからもよろしくね、頑張って行きましょう」
何かこぼん師匠らしさに満ち溢れていて、失望と不安で占められていた私の心に一筋の光が差したような気持ちになったことを今でも覚えています。
師匠方に電話で報告を繰り返していたら、1本の着信がありました。
その電話の主は東京太師匠。
「おぉい!解散しちゃダメだっぺよぉ!」
…京太師匠はいつも変わりません♪
京太師匠も球児師匠と同じく、思ったことは態度に出るし、隠さず口にするタイプ。
だからこそ…一緒に居てとても楽だし、人として信頼できるのです。
「せっかくよぉ、仲悪いのでテレビのチャンス出来たのにぃ、解散したら洒落になんねぇってよぉ」
…全く以て仰る通り、返す言葉もありません。
「まぁ、木曽は喋りもしっかりしてるし1人でもやって行けると思うから、頑張ってな!」
…終始その歯切れが良くて明るい口調に救われました♪
京太師匠に関しても、後程改めてご紹介したい話があるのですが…良い意味で気遣うことなく普段通り接して下さったことで大きく救われました。
2023年10月29日