お笑い芸人を志して大学を卒業後に上京。
2023年でその活動は29年目を迎えております。
月日の過ぎ行く早さに対して年々鈍感になって行るので…改めて意識することが無かったんですが、1970年生まれの私、気付けばお笑い芸人としての歳月は人生の半分を優に超えてしまっておりました。
そしてそのお笑い芸人の人生の半分以上の月日が経っているのが“漫才協会”の在籍期間。
主に関東を基盤として活動する漫才師が籍を置くこの団体、私が出入りするようになったのが2004年ですから…気付いたら19年の月日が経ってしまってました。。。
お笑いライブに出演し、いつか来ると信じていたテレビで活躍する日々。
しかしながら、お笑い芸人を志すその殆どの者が憧れる“テレビ”という世界は…想像以上に遠いものでした。
そして芸歴10年目にして訪れた“お笑い芸人”としての転機。
Wコロンというコンビを組むのと共に新しく門を叩くことになった新たなる活動の場、それが浅草の演芸場を主戦場とする漫才協会(当時の名称は漫才協団)でした。
正直言うと…当時お名前を存じ上げている師匠方はほんの一握り。
身の程を知らず、思い切り突っ張っていた私は…そんな師匠方に対して礼儀もわきまえず、失礼な言動も多々あったと思います。
しかしながら…そんな私の気持ちが少しずつ変化して行ったのには大きな理由があります。
それは、身近にその芸や人柄に触れて行くうち、その魅力に気付き、惹かれて行ったから。
今改めて思うのです。
これは私がお世話になっている漫才協会だけじゃなく、あらゆる環境に於いて共通することなんじゃないかと。
自分の人生の先輩にあたる方々の魅力を知るには、その魅力に目を向ける気持ちが大切であること、魅力を感じられるだけの距離感に自分の身を置くこと。
「そんなこと何でしなくちゃいけないの?」
そう思う若い人も居ると思う。
でもね、それってとても勿体ないことだと思うのです。
身近に居る人生の先輩は財産です。
沢山の学ぶべきことがある、この本ではそのようなことを若い人たちに少しでも伝えていけたら、と思っています。
漫才協会に入った当初、沢山いらっしゃった師匠方も…ここ数年立て続けにお亡くなりになられてまして、訃報を耳にする度本当に寂しく、悲しい気持ちになります。
体調を崩される師匠も増えて来ました。
今、私は急いでいます。
これからの師匠方と共有出来る時間を大切にしたい。
そしてお付き合いが許される限り…ここまで私の身近に居てくれた師匠方から少しでも多くのことを知り、学び、そして恩返しが出来たらな、と思っています。
2023年07月02日