本日の『音響効果の世界(仮)』です。
それでは、第3回「効果音は手作り」を開催したいと思います。
まず最初に前回の復習です。
「選んだ音をつかう」を取り上げました。
音響効果の仕事は音(音楽・効果音)を映像に合わせてつけていくと言いました。そこで今回は「効果音」を説明したいと思います。
と、その前に!
今や映画の世界ではCGによって「ありえない映像」を作り出すことが当たり前になっていますよねー!「音」もPCをはじめとする最新の機械で作ってると思われている諸氏も多いことでしょう!
(※音量にご注意下さい)
シンセサイザーなどの楽器で作る事もありますが、音響効果の世界では「生音」で効果音を作る事が多いのです。ほとんどが手作りなのです。
それではどうやって「効果音」を作っているのでしょう!?
凄く気になるところですが「どうやって作る」は後日に回します。
チョット引っ張りますねー。
その前に作品(ここでは番組)での「音の構成」を考えてみましょう。
音を構成している要素は、大きく分けて4種類あります。
・ロケーション(同録) ロケをした時、マイクを通して同時録音された「音」
・ナレーション 内容をより詳しく説明された「音」
・音楽 状況の説明や登場人物の心情を表現する「音」
・効果音 場面の状況を補う「音」
以上がテレビ番組をはじめ、ラジオ番組、映画などの「音」の構成要素なのです。
今回は「効果音」を取り上げています。さっそく「効果音」について考えて行こうと思います。効果音には様々な種類があるのをご存知ですか!?
ドラマでは、足音、車の音、小鳥の鳴き声という「現実音」を多用します。
バラエティでは、文字が画面外から飛び込んでくるときに「シュワーン」「キラーン」「ガーン」という「イメージ音」をつけていきます。
なぜ「効果音」を使うのか!?
簡単に言うと、作品を分かりやすく、面白く、迫力あるものにするためなのです!!
当然ですが、内容に即した「効果音」を作品につけています。
効果マン(音響効果)は同じ「効果音」を選ぶのか!?
ここで皆さんで考えてもらいたい事があります。
日本全国には多くの効果マンがいます。とあるシーン(場面)で「効果音」を全員がつけたと仮定しましょう。そこで全員が「同じシーン」に「同じ効果音」をつけて作品を完成させられると思うかどううかを考えてもらいたいのです。
いかがですか?
当然、同じにはならないですよね!
全員が全員、全て同じ効果音を選ぶかというと絶対にないと断言できます。考え方、感じ方が違うので同じになる事の方が少ないのです。
それが効果マンの「個性」になるし、ひいては番組の「個性」にもつながるのです。したがって「違う効果音」になるのが当然なのですが、その効果音の方向性は全員が一緒だと言っていいと思います。
さらに、同じ「音素材」を持っているかどうか?ということも考えられます。
それではどんな「効果音」を使っているのでしょうか!?
それを見ていきたいと思います。
【現実音】
ドラマなどで使われる「効果音」です。撮影したの場面に合わせて「音」をつけていきます。さながら「効果音」で演技していくのです。
朝のシーンでは、「すずめの鳴き声」で朝を感じますよね。
(※音量にご注意下さい)
殴るシーンでは、そこに「殴る音」をつけているのです。実際に役者さん同士、本気で殴り合うことはありません。
(※音量にご注意下さい)
場面では、しばらくすると赤色灯を回転しながらパトカーがやって来ました。
その「サイレンの音」も後からつけたすのです。
臨場感を盛り上げる! と言う訳です
【イメージ音】
バラエティ番組や情報番組などで画面に文字が飛び込んで来た時やタレントさんの名前が出た時などに「キラリーン」と音が入ったり、
(※音量にご注意下さい)
場面転換にアタック音が入ったり、ナレーションに合わせて「ガーン!」と入ったりしますよね。
(※音量にご注意下さい)
より強調したいときに使います。今ではテレビに欠かせない「効果音」になっていまが、使い過ぎには注意が必要です!
耳障りになったり、「効果音」が入りすぎて作品の内容が分からなくなってしまうからです。
【フォーリー】
簡単に言いと、映像に登場している人の動きに合わせて、色々な道具を使って「音」を再現していく事をいいます。日本では「生音」と言っています。
人の動作で起こる足音だったり、衣服の擦れる音だったり、殴る蹴る、食事、タバコを吸うなどのチョットした動き、でも大切な「音」を紡いでいきます。
数本のマイクの前で動作(演技)に合わせた音を出すのですが、数回のリハーサルで細かい修正を済ませたのち、「音」だけの演技を録音するのですが、激しいアクションになると余計な足音や呼吸の乱れ(息づかい)をマイク拾ってしまうので、注意が必要です。
体力いるはー!
ラジオドラマなどの番組でも台本に合わせて「フォーリー」で音を作ることが多いですね。
特にアメリカでは多くの「フォーリーアーティスト」が活躍しています。
ハリウッド映画やドラマには欠かすことが出来ない職種だと思います。
ここで「音」のつけ方が分かる映像をご覧いただきます。
「フォーリー」が、「音響効果の生音が」分かる映像です。
2作品を用意しました。ご覧ください!
いかがでしたか!?
イメージがつかめたのではないでしょうか!
事前の打合せや準備が必要なのは当たり前。
なんといっても努力がなせる業だと思います。
ところで映画の本場アメリカのハリウッドで、日本人が「フォーリーアーティスト」として活躍しているのをご存知ですか!?
な・な・なんと、栄えあるエミー賞を日本人が受賞しているのです。
アメリカのエンターテインメントには、大きな賞が4つあります。
・一つ目は映画の「アカデミー賞」
・二つ目は音楽の「グラミー賞」
・三つ目は演劇・舞台の「トニー賞」
・四つ目はテレビ放送に与えられる「エミー賞」です。
そのエミー賞に輝いたのが!
2004年、エミー賞を受賞した石川孝子さん。
何気なく見ていた、有名なドラマを手掛けていらっしゃいますね。
そしてもう一人。
2012年、エミー賞を受賞した小山吾郎さん。
小山吾郎さんの「業」が、映画「寄生獣」でも見られます。
素晴らしい!! かっこいい!!
日本人は「手先が器用だ」と言われているので「フォーリー」に向いているのかもしれないですね!
「フォーリー」は音作りの原点なのです。
【環境音】
自然音などと言いますが、実際は「現実音」の仲間です。
台風中継をご覧になったことがあると思います。実況を伝えるアナウンサーが持っているマイクに風があたって「ボコボコ」と音がなっているのを聞いた事がありませんか!?
風がマイクにあたって「不快な音」を出しています。臨場感と言えばその通りなのですが、ドキュメンタリー以外では使われない「音」だと思われます。
強い風の音+木々の葉が激しく揺れる音+強い雨音
などで表現できるのではないでしょうか!
(※音量にご注意下さい)
チョッと話がそれましたが、実際に収録された「音」でも、使えないと判断した場合新たに映像に合わせて「ベースになる音」をつけているのです。
例えば「誰もいないオフィスの「音」を想像してみてください。誰もいないのだから「音」はしないだろうと思はないで・・・!
空調の音だったり、窓が閉まっていても遠くの車のクラクションだったり、緊急車両のサイレンだたりと「複数の音」が考えられませんか!? オフィスの高さによって「窓外の音」が変化しますよねー!
もしかしたらテレビでは聞こえない「音」かもしれませんが、しかし無いとおかしいなものなのです。空気感とでも言いましょうか。
さらに「実際のビル」でロケをているいとは限りません。
スタジオの「セット」なのかもしれないのです。
いかがでしたか!? 今日はここまで!
次回も乞うご期待!
一緒に「今日も元気」にそして「あしたの元気」に繋げましょう!
音響効果・住吉