本日の『音響効果の世界(仮)』です。
それでは、第2回「仕事の流れ (その2)」を開催したいと思います。
まず前回の復習です。
「打合せ、音を選ぶ」を取り上げました。
前回からですが、取り上げているのは主に「テレビの世界」の話しです。
不幸なことに「映画の世界」を知らないのです。
申し訳ありません。
映画の世界で活躍されている皆さん、活躍されていらした皆さんの
ご意見を募集したいと思います。
よろしくお願いいたします。
今回取り上げるのは「選んだ音をつかう」です。
前回の「音を選ぶ」では打合せをもとに音楽や効果音を選んだり、サイズ(時間)を調整したりしましたよねー!
今日は、その後の工程に移りましょう。
・MA
公開のイベントや生放送(公開収録)以外の作品(番組など)では必ずやっている作業です。
収録した素材を編集して、放送時間になったVTRテープ(完パケ)にナレーション・音楽・効果音などつけていきます。(今ではテープレスになってデータで作業することが増えてきました)この作業をMAと呼んでいます。
MAでは、編集で完パケになったVTRの音声、ナレーション、音楽、効果音などを複数の音声トラックに分けて録音していきます。
この作業は、イメージした音を具体化してMA室にいる演出などのスタッフに対する発表会のようなアピールの場なのです。
映像における「音の世界」では、1秒を30フレームという単位で扱っています。
「○秒○フレームのSE(効果音)を1フレーム先行させて聞いてみよう」と「3フレーム後ろへ」とか言ってます。
決して妥協のない世界なのです。
更に音の編集はもっと細かい単位の世界でやっていますよー!
そして、映像に合った「エフェクト処理(音声処理)」などをして音量、音質、音色、定位など表現したことをチェックしながら慎重にミックスして完成となります。
ちなみにMAの語源ですが、「Multi Audio(マルチオーディオ)」の略であるとした説が日本では一般的になっています。かつては音の編集を行うためにMAVTR(Multi Audio VTR)を使用していた事からこう呼ばれるようになったといいます。
MAも技術進歩に伴って機材が変わってきました。マルチトラックレコーダーが、4ch(チャンネル)から8ch、16ch、24chへと変わり、アナログからデジタルになり、24ch、48chと変化してきました。
その他、マルチトラックレコーダーからコンピュータを主とした DAW (デジタル・オーディオ・ワークステーション)へと変化しています。
デジタル・オーディオ・ワークステーション - Wikipedia
時代の流れは「DAWで音を仕込む」です!
「 DAWで仕込んでデータを渡す」のが主流です。
USBメモリやハードディスクを音声さんのアシスタントに渡して作業をしてもらうことが増えました。
仕込みの段階で足りない効果音は、録音機を抱えて録音しに行ったりすることは昔から変わらないのですが、最終処理が自分のパソコンで、と凄くコンパクトになりましたねー!
・生放送(公開収録)
打合せを基に DAWに仕込んだ音(音楽、効果音など)を再生機(サンプラー)に仕込み直し、現場で使う音がすぐに出せるように準備をします。
MAと生放送とでは音の仕込み方にチョッとした違いがあるのです。
その違いとは!
アタックなどの短い音楽や効果音はMAと同じでいいのですが、BGとして使用するものに違いがあるのです。
呼吸だったり間合いの違いから、台本上の尺(時間)が変わってしまうのです。
なので、生放送用には長いサイズの音(音楽・効果音)を用意します。
(途中でなくなってしまうことを避けるためです)
MAにしろ生放送にしろ、打合せてイメージした音を具体化して、その音を入れたシーン やタレントさんのセリフを輝かせるのが一番の仕事になります。
いかがでしたか!? 今日はここまで!
次回も乞うご期待!
一緒に「今日も元気」にそして「あしたの元気」に繋げましょう!
音響効果・住吉